恋心
夢から醒めてーNatsumi
「でも、ありがとね…」
「お前でも礼とか言えるんだな」
「はぁ⁉今の撤回!キャンセル!」
「キャンセルって何だよ、ハハッ」
本当は泣きそうだった。
笑っていたけど、視界がぼんやりしてた。
テンポよく言葉を交わしていたけど、気を抜いたら涙がこぼれそうだった。
だけど、こいつがすぐ隣にいるから。
泣かずにいられた。
情けなくてたまらない。
また騙されてたなんて…バカ過ぎる自分が嫌になった。
清原大雅が現れなかったら、もう少しでキスされそうだった。
キスされていたら、きっとまたあたしは…急速に先輩に落ちていってたと思う。