恋心
やっぱりバカ女ーTaiga
「ちょっ、大雅!!」
「ストップ!ストップ!」
後ろからそう呼び止められて、ブレーキをかけた。
「なに」
俺がそう言うと、歩夢とテツは俺の両サイドまで進んできて。
「なにって…なぁ?テツ」
「おぅ、いきなり勢いよく走り出したかと思ったら…お前超猛スピードだし。ついてくるの必死だったって」
二人はそう言うとジッと俺を見た。
「つーか、あいつバカじゃね?」
イライラして、ついこぼれた言葉。
そしたら歩夢とテツは何故か二人して目を合わせて。
「やっぱりな」
「夏美ちゃんのことか」
そう言うと、呆れたように笑う。
「何がやっぱりだよ」
言いながら、だんだんムカついてきて。
「さっさと帰るぞ」
俺はまた、走り出していた。