恋心



それから俺は、相原の話というか半分グチみたいなもんを聞かされて。


だけど、くだらないのに何故だかすげー笑えてきて。



「今度その西田ってやつに会ったらガンガン話かけてやろう」


「絶対ビックリして厨房から出てこなくなるよ」


「ハハッ、そしたら西田指名でオーダーしてやる」


「アハハハッ」



くだらない話なのに…

楽しかった。


隣に相原がいて。

こいつも笑ってて。


だけど、心ん中で引っかかる。


何でこいつ…またあんな奴と…って。


別に俺には関係ないけどさ。


でも、やっぱ引っかかるんだよ、自分でも不思議なくらい。



グチも聞き終わって、笑いが一瞬ピタッと止んで。

と同時にシーンとなった俺たちの間。




「あのさ…」
「あのさ…」



ふと口を開くと、同時に俺たちの声が重なった。


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