恋心



そして学校が終わると、様子を見に行ってもらうお礼だとかで歩夢くん達にファーストフード店でハンバーガーセットを奢ってもらって。


食べ終わってお店を出ると、清原の家まで道案内をしてくれた。



「そこのクリーム色の家だから」



一軒家が並ぶ住宅街。

そこでブレーキをかけたテツヤ君は、自転車にまたがったままクリーム色の家を指を差して、そこが清原の家だと教えてくれた。



「じゃ、夏美ちゃんよろしく」


「ごめんね、よろしくお願いします」



歩夢くんと三浦さんもそう言うと、自転車に乗ったままあたしを見ている。




「…あのぉ、やっぱり良かったらみんなも一緒に」



ついでなんだしさ、一緒に様子見ればいいじゃん??

ねっ?



「ごめん俺らデートなんだよね」

「ねーっ♪」

「俺も用事あるんだ」



……。


三人はニッと笑ったかと思ったら、じゃ!とか言いながら走り出して行って。


一人残されたあたしは、クリーム色の家の前まで自転車を押しながらトボトボ歩いた。


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