恋心
そしてーーー
“清原”という表札を確認すると、静かに家の前に自転車をとめた。
っていうか、そもそもあいつ家にいるの?
いないかもしれないよね?
10分くらい家の前でそんなことを考えて。
だけど、やっぱり気になってきたあたしは意を決してインターホンのボタンを押した。
ピーンポーン…と音が鳴る。
途端にドキドキしてきた。
「はい」
そしたら声がして。
「あっ、あ、あたし!相原です」
「相原?」
「うん…」
「ちょっと待って」
ガチャ…という受話器を置く音がして。
その直後、玄関のドアがゆっくり開いた。