恋心
「どうした?つーか何で家知ってんだよ、お前ストーカーか?」
Tシャツに、ハーフパンツ姿の清原は笑いながらあたしに聞く。
「ストーカーな訳ないでしょ、ストーカーするにも相手選ぶわよ」
そしてあたしがそう言うと、清原はフッと笑った。
「歩夢達か?」
「あっ…うん。何かあんた休みだし連絡も取れないから心配とかで。様子見てきてくれないかって」
「そっか……ま、まぁ上がれば?」
「えっ⁉」
「えっ⁉ってそんな驚くことねーだろ」
「……いやぁ、だって…」
あたしが俯きながら言葉を探していると、清原はププッと笑って。
「バカかお前。別に何もしねーって」
そう言うと、玄関を開けたままあたしが入るまで待ってくれていた。