恋心
「そっか、じゃあ夏美だから…なっちゃん。そう呼んでいい?」
帰り道。
名前は?と聞かれたあたしは、相原夏美です、って答えて。
そしたら、そう呼んでいい?って聞かれて。
「あ、俺は永瀬修司。よろしくね」
そう言って微笑んだ先輩を見て、ハイ、知ってます、って…心の中で思っていた。
永瀬修司。
知らないわけない。
入学してすぐ、耳にしていた名前。
三年で、めちゃくちゃカッコ良くて、超モテモテで。
遊び人…な人。
先輩は、噂通りのイケメンだった。
そりゃ、嫌でも勝手にモテちゃうよねって思った。
だけど…
遊び人には、見えなかった。