恋心
「ありがとう」
「うんっ、頑張ってね!」
春ちゃんはニコッと笑いながらそう言うと、自分の席に戻っていく。
頑張って…?
なんだ?
なんだかよく分からないまま教室に入った俺は、すぐにケータイをチェックした。
メモリ欄に、増えた名前。
えっ、つーか春ちゃん!
❤夏美❤って!
ハートマーク使って登録とかしてるし。
カンベンしてくれよ…
そう思いながらも何故だかフッと笑えてきて。
あいつの番号を表示させると、ケータイを耳に当てて呼び出し音に耳を澄ませた。