恋心
プルルルルーーー
二回、三回…と音を数えた。
五回、六回…
「はい…」
やべっ、出た!
「あ…俺」
「あー、どうしたの?」
「えっ?お前俺が誰か分かってんの?」
「うん分かってるよ、番号歩夢くんに教えてもらってたから」
そっ、そうなのか。
「そっか。あっ、だ、大丈夫か?熱あるって聞いたけど」
「あ、うん。大丈夫、そんなに高くないし」
「そっか…じゃあいいんだけど」
「うん」
「あ、昨日…ありがとな。もう俺は完全復活だから」
「そうなんだ、良かった…」
何か調子狂う。
電話でなんて話したことなかったし。
それにやっぱ、いつもより元気ないし。
「お前も早く治して学校来いよ?」
「うん、ありがと」
「じゃ、また」
「うん、またね」
電話を切った俺は、1分12秒という短い通話時間を見つめていた。
かなり短い時間だけど。
でも、話せて良かった。
早く熱、下がるといいけどな…。
そう思いながらケータイをポケットにしまおうとした時だった。
ケータイが無音のままブルブル震えて。
またケータイを見てみると新着メールが一件届いていた。