恋心



かと思ったら、次はピタッと止まってまた椅子に座ると、真面目な顔で二人が俺の目をジッと見てきた。



「な、何だよ気持ちわりーなー」



跳ねたり静かになったり、本当忙しい奴らだ。



「お前さ、本気なら本気だってちゃんと言えよ?」


「そうそう、たまには男見せろよな」



だけど、歩夢もテツも。

真っ直ぐに、俺を見てそう言った。


いつだっておちゃらけてて、バカばっかやってる二人。


だけどずっと俺を、小学校ん時からそばで支えてくれてた二人。



「ちゃんと言葉にしなきゃ、伝わないんだからな?」


「あの子なら大丈夫だよ。お前を任せられる気がするもん」



そんな二人が、すげー真面目な顔して俺に言ってる。





「……分かったよ」



照れ臭くて、今はありがとうとか言えないけど。


そのうち言うから。


お前らがいてくれて良かったって、ちゃんと言うから。



テツ、歩夢…


ありがとな。


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