恋心
「まぶしいねー」
「そうだなぁ」
「何か、あの雲おいしそうだよね」
「は?そんなこと言うやつ初めてだよ」
アハハって大きな声で清原は笑う。
寝転がりながら空を見上げている清原がとても気持ちよさそうで。
あたしも何だか寝転びたくなって、真似して背中をゆっくりと倒した。
「やっぱりおいしそう」
「だから訳わかんねーし、雲だからな、く・も!」
「アハハッ、分かってるってばぁ!」
「本当お前、バカだよなー」
「はぁーっ!?あんたにだけは言われたくないんですけど!」
二人しかいない屋上なのに。
うるさいくらいにあたし達は笑ってた。
セミの声に負けないくらいの笑い声が、屋上に響いてた。