恋心



様子がおかしくなってから二週間後。



どうしても会いたくて。

話をしたくて。


あたしは待っていた。



初めて先輩が声をかけてくれた、駐輪場で。




だけど…


そこに現れた先輩は、同級生らしき女の人と腕を組んでいて。




「先輩…あのっ」



そう言ってあたしが近付くと、眉間にシワを寄せて。


聞いたこともなかった口調で返事をした。




「なに?何か用?」


ぶっきらぼうな声に、冷たい目。



「あっ、あの…メール、見てくれてるかな?って思って…それで…」



勇気を出して、あたしはそう聞いた。








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