恋心
『ねぇ大雅〜、今日ヒマ?』
昼下がりの教室。
長い髪を指先でクルクルさせながら、ナミは俺のことをジッと見ていた。
『あ?なんで?』
『うちさ、昨日から親が親戚の結婚式で九州行ってていないんだよね」
「ふーん」
だから何なんだよ…
そう思いながら適当に俺はそう返事をする。
「でね、親帰ってくるの明後日なの。だからさ、予定ないならうち来ない?』
ナミはそう言うと、俺の答えを待つように首を傾げた。
『あぁ……気向いたら行くわ』
『ほんと?」
「あぁ」
「じゃあ待ってるからね♪♪』
ナミはそう言うと、笑顔で教室から嬉しそうに出て行った。
はぁ。
顔は可愛いけど、何か最近グイグイ押してくる感が強いっていうか。
結構めんどくせータイプだよな、あいつ。