恋心
だけど…
「は?うざいのはあんたみたいなチャラ男の方だから」
歩き出した俺の足が、ピタッと止まる。
「チャラ男?」
ゆっくりと振り返りながら、苛立つ気持ちをグッと抑えた。
「つーか、仮に俺がタラシのチャラ男だとしてさ。お前に何か迷惑かけるわけ?」
「えっ、迷惑っていうか…」
「何なんだよ?」
「…そうですね。あたしには関係ないです。別にあなたと関わることもないですし。どうぞ、ご自由に。ごゆっくり」
彼女はそう言うと、ペコッとお辞儀をして厨房の中へ入っていった。