恋心
「アハハッ、マジうけるんだけど」
テレビを見ながら笑う若菜。
三歳年下の、中学二年の俺の妹だ。
俺が7歳で若菜が4歳の時から、俺たちは二人でいることが多かった。
親父は、運送屋のトラック運転手で、朝も早いのに、帰ってくるのも遅いっていうハードな仕事をしている。
小さい頃は、俺たちは学童保育に行っていたけど、俺が中学生になってからはこんな日常に変わった。
学童保育は、夜まで子供を預かってくれるけど。
親父の迎えは、いつも9時半頃で。
帰ってから風呂入ったり、そういうことをしてると寝るのが11時とか、俺が小学生の頃はずっとそんな生活だった。
「俺が晩飯も作るし大丈夫だって」
だから、俺が中学に入った時。
まだ四年生だった若菜のことを考えて、この生活に変わった。
掃除洗濯は、若菜。
俺は料理と風呂掃除とゴミ捨て。
そんな役割り分担を決めて。