恋心
「おぅ、じゃあ寝るわ、親父も早く寝ろよ、明日も早いんだし」
俺が言うと、ウンウンと頷く親父。
俺はそのままリビングを出て、歯を磨いて。
自分の部屋に入ると、ベッドにゴロンと寝転がった。
もう47か…
そして、そんなことをまた思い出しながら、幼い頃のことをふと思い出した。
母親がいなくなってからの親父の姿を、色々思い出した。
授業参観…
たくさん保護者のお母さん達が並ぶ中に、見慣れない格好で親父は来てたなぁとか。
いつも、会社の仕事着だったのに、なんか格好つけてんのか、そういう時はスーツ姿だったんだよなぁとか。
遠足ん時作ってくれる弁当は、やたら茶色ばっかりだったな…とか。
だけど、運動会とか。
親子競技があると、いつも俺たちより本気で。
絶対、若菜の時も俺の時も、一位になってたっけ…