恋心



「ふーん、そんなことあったんだ⁉何か面白いじゃん」



翌日の学校からの帰り道。

あたしは春ちゃんと並んで自転車を走らせていた。




「面白い⁉全然面白くなんてないし!」


「そう?でも一日に三回も会うなんてすごいね、タイミング良過ぎ」


「それを言うならタイミング悪過ぎ、でしょ!?」



あたしが言うと、春ちゃんはアハハハッ
って笑って。



「じゃあまた明日ね!」



いつもの交差点で、あたし達は手を振りながら別れた。



そして一人になった帰り道。


自転車を漕ぎながら、いつものように家までの道のりを進んでいた。



えっ…ウソ…



だけど、ちょうど次の赤信号で止まった時。


向かい側で信号待ちをする人を見たあたしは…

慌てて方向転換。


帰り道とは違う右の方に曲がって、急いで自転車を漕いだ。


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