恋心
「じゃあまた明日!」
「おう!」
「またなー!」
夕暮れ時。
カラオケからの帰り道。
歩夢とテツと別れて、俺は一人になった。
気まずい空気でカラオケを出た俺達だったけど、歩夢とテツはすぐにいつものテンションに戻ってて。
あれ歌えば良かったとか、ハモりの練習しようとか。
さっきの話題は全く出ることもなくいつものように他愛ない話をしてた。
「はぁっ…」
だけど、一人になった帰り道。
無意識に出た、ため息に似たもの。
何やってんだろうな、俺…
ふとそんなことを思った。
「ただいま」
玄関を開けて、今日もつぶやく。
今日も変わらない、
シーンとするこの感じ。