君と桜の木の下で。
咲は俺の隣まで歩いてきて、桜の木を見上げた。








「ナツ君と出会ったこの場所に、ナツ君との恋が始まったこの場所に・・・。ナツ君と見た桜を、最後にちゃんと見ておきたかったの。」










咲は桜の花びらを手に取り、それを優しく手で包んだ。








「俺も。ここに来たいと思った。」









俺は咲の反対側の手をきゅっと握って桜の木を見上げた。









「あーあ・・・。絶対に、泣かないって決めたのに・・・」








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