君と桜の木の下で。
“咲”






始めの頃、そう呼ばれて泣きそうになった。








咲と呼ぶのは、お父さん以外の男の人であの人が始めてだった。









だけど、“咲”と呼ぶあの人はもういない。








私のそばには大輔の存在がある。









「うん。だけど・・・難しそう。やっぱり、大輔みたいに普通の会社で就職しようかな・・・」








就職できないよりはマシだしね・・・。








「諦めんなよ。俺、咲なら音楽関係の仕事絶対できるって思ってるから。応援してるから頑張れ!」






“応援してる。頑張れ”











< 289 / 452 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop