君と桜の木の下で。
「俺さ、自分から別れを切り出したくせにまだ咲が好きでさ…。いつか、忘れることできんのかな」





私は何も言えなかった。





咲と夏樹は本当に好き同士だった。






だから…。





「忘れちゃ、ダメだよ。」





咲を好きだったこと。






「咲のことを好きだったことは忘れちゃダメだよ。もしこの先、新しい恋をしても咲との思い出は消しちゃダメ。」






それは、咲もそう。






そして………。私も。






この先、何があっても夏樹を好きになったこと。思い出。忘れたくない。





好きになって良かった。って思っていたい。






たとえ、この想いが届かなくても………。






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