勉強は必要ないと思う天才肌と勉強は全てと思う努力派少女の話
今の私には、先生の声は雑音にしか聞こえない。
ぼんやりと黒板に並べられた数式を見た。
我慢していた欠伸が口端から漏れる。
--たいくつ…
尚も先生はせっせと文字を並べ続けている。
先生の背中をしばらく眺めた後、窓の外に視線を移した。
アニメの空みたいに今日の空は真っ青。
浮かぶ雲はまるで空を切り抜いたよう。
校庭の桜が散り始めてる…
一年生の体育はサッカーなんだ
--ふーん
いつもと変わらず…
代わり映えしなくて退屈な毎日だけど、この席だけは好き。
一番端の窓際の席。
一番後ろじゃなくて二番目なのが惜しいけど。
まぁ、満足。
でも、よく後ろから視線を感じる。
森崎みちるが見てるんだな…
森崎みちると同じクラスになるなんて予想外だった。
いや?わざとかな…
私…桃園めぐると
彼女…森崎みちるは
この学校始まって以来の問題児だ。
問題児扱いされ始めたのは…
そう…クラス分けテストからだった。
私と森崎みちるは共に500点満点だった。
それから定期テストがある度、満点だった私たちは、異例の問題児として大変なことになった。
先生はない頭を働かして問題を作る。
でも結局、私たちは限りなく満点に近い点を取り続けている。
私たちは属に言う「秀才」らしい。