オタク女とアナログ男



「此方は檜山 美琴(ヒヤマ ミコト)、しがないOLです」

「…檜山 美琴です。
よろしくお願いします」


一言余計だなぁ、と思いながらニコッと微笑み、会釈すると斜め前で菜々子お姉様がニヤニヤ笑っていた。

…同族の笑みだ!!!
当事者になるとそっちの楽しみは全く出来ない…
くそぅ、羨ましい!



「うふふっ、楽しいわねぇ!
お見合いの仲人なんて初めて!」

「えぇ、そうね。
私も久しぶりにお見合い用の着付けも出来て、菜々子にも会えたし良かったわ」

「そーう?
あ、じゃあ私達はバーに行って語り合いましょう!
最近会ってなかった分、たくさんあるのよ〜?」

「そうね、じゃあ」

「あ!
そのセリフは私が言いたいの〜!
うふふ…
じゃあ、後はお若いお二人で!
きゃ〜っ、楽しい!
行きましょ、麻理子ちゃん!」

「はいはい、じゃ、散歩するなりなんなり好きにしなさいね」



…嵐のように、二人は去っていった。
って、え、もう二人きりにされるんですかー!?


 
 

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