オタク女とアナログ男
こういう時は年上に譲ろう、と思い「其方からどうぞ」と勧めると
「こういうのは殿方が優先で良いんですよ?」
と何とも出来る女な答えが返ってきた。
美琴さん、総司郎君と呼び合う事になりどこか擽ったい。
美琴さんを見ると嬉しそうに…というかどこかにやけたような笑いをしていた。
…今考えると母と同じ笑いだった。
仕事の事を聞くとまたちゃんとした答えが返ってきて、今度は尋ねられた。
生徒会長のことは母から伝わっていたのか、と思いつつ認めると、少し目を輝かせ、身を乗り出して聞いてきた。
今考えるとあれも母と同じで妄想のネタになるのだろうか。
すると顔で選ばれた所に反応したのかなんなのか、小さく「へ」と呟き首を傾げた。
…小動物みたいで可愛く見えた。