オタク女とアナログ男


朝、私は母上殿に叩き起こされ、半分寝ている状態で朝ご飯を食べていた。



「ねぇ、着物は何色が良い?
成人式以来よねぇ、着物」

「と、言っても二年前だよお兄ちゃん…」

「母よ。
寝ぼけてたら妹キャラになるの止めなさい?」

「ごめんねお兄ちゃん…」

「…お味噌汁零れるわよ」

「ふぁい…」


ご飯を食べ終える頃に目は覚めていた。
いつも顔を洗ったりしてもスッキリしないのに、ご飯を食べていると目が覚めてくる。



「それで母上殿、お相手の殿方はどのような?」

「ん?
あぁ、菜々子の息子よ」

「なっ、菜々子お姉様の!?」


菜々子お姉様とは、昔から母上殿と親友の可愛らしい御方。
ロリータファッションを着こなしてしまう二人の息子の母親とは思えない程可愛らしく、我輩をオタクへと導いて下さった張本人でもある。

母上殿がオタク慣れしているのはお姉様のお陰だと考えている。


 
 
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