オタク女とアナログ男


どうしたのか聞くとハッとしたように笑って答えてくれた。

答え方も雰囲気も人柄も、美琴さんなら相手なんてたくさんいるんじゃないかと思い、少し悪く思いながらも聞いてみるとプッと笑われた。

…普段なら苛つくが、初めてちゃんと砕けた笑顔を見て、胸が高鳴った…気がした。


「私の事、菜々子お姉様になんて聞いていたんですか?」

と問われ、菜々子お姉様という呼び方に驚きつつ「オタク仲間」と答えると当たっている、見えないかと言われ肯定するとまた楽しそうに「他には」と問われた。


それからも色々聞かれ、答えていたが全く苦にならなかったのは不思議だ。

結局お互い本気のお見合いじゃない事がわかり、少し気が楽になった時に庭にいこうと提案され、今度は男の、俺の出番だと思いエスコートさせてと言って普段しない事をしてみると可愛い反応をしてくれて、何故か凄く嬉しくなった。



…よし、美琴さんが鯉と戯れてる間に書けた。

あ、鯉好きというのもメモしておこう。


…と、いうかこの姿、写真にでも収めておきたかった。


 
 
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