オタク女とアナログ男
「すみません、取り乱して…」
「いえ、こちらこそすみません。
つい手が出てしまって…」
「…ここだけ聞いたら変質者ですね」
「え…あ」
つい手が出てしまって、なんてアイツ(友人A=軽い男)の言う事じゃないか!
俺の考えが顔に出ていたのか美琴さんは花のように顔をほころばせた。
「ふふ、すみません、からかっただけですよ。
ほら、行きましょう?
あっちは花が綺麗ですよ」
「…はい」
やっぱり美琴さんは大人だった。
結局は俺がリードされ、惑わされ。
………目が離せなくなる。
「あいたっ」
「ちょっ、はしゃぎ過ぎです!」
「あはは、手、繋いでて助かりました」
困ったように笑う顔も、時々にやけるのを必死に抑える顔も、やはり大人な微笑みも。
「…綺麗です」
「ん、何か言いました?」
「いえ、何も。
行きましょうか」
「はい、行きましょう」