オタク女とアナログ男
「総ちゃん、美琴ちゃーん!
そろそろ帰るわよー!?」
「あっ、はーい!
今行きます、菜々子お姉様ー」
「ちょ、そんな大きい声で…」
お姉様なんて言うから周りが振り返り、焦って言うと走りだしていた美琴さんはクルッと振り返った。
「いちいち気にしてたら私的にオタクやってられませんからね!
今日は大収穫でございますぞ、親方様あー!」
「お、親方様…?」
良いのか、そこオタク丸出しで…
三人の下に行くと、母と美琴さんがニヤニヤしながら笑っていた。
…色んな意味で二人の世界だ。
と、思っていたら麻理子さんが話し掛けてきた。
「ごめんなさいね、私達仕事が入っちゃって。
それと、今日は有難う。
高校生なのにお見合いなんて」
「いや、良い経験になりました」
こちらこそ有難うございました、と頭を下げると麻理子さんはニコッと…いや、ニヤッと笑った。