オタク女とアナログ男
「そうかそうか…」
「春ねぇ…」
「確かに今は春だが…」
「心の春よ!」
とりあえず二人にコーヒーを(隣の校長室から持ち)出し、落ち着いて話しているとまた夢に火が付いてしまった。
「総君に初の春!
一君に本当の春!
私…いや、俺に真実の春!!!」
「…え、お前も!?
てか男としてかよ!!!」
「…え、は?」
ちょっと待て、二人だけで盛り上がらないでくれ。
春…、俺にとって初の春、夢がよく言う春は…
「………恋?」
「自覚キターーー!!!」
「夢うるせぇ!
で、本気かコラ!」
「美しいお姉様に惹かれるのは男の性ってね!」
…え、なんだ、俺が初恋?
美琴さんに…
少なからず自覚はあった、メモを書いている時点で。
…だが、何だこいつらは。
「どうして会ってもいないお前達が惚れるんだ!
顔だけで決める等、言語道断!」