オタク女とアナログ男


「てめっ、その中はずりぃ!」

「卑怯よ総君!」

「五月蝿いっ、早く仕事を終わらせろ!」


生徒会室の自分用の机は、プライバシーとして絶対に覗かない約束になっている。
夢はよく分からないが、一の机の中には不純な本、ビデオや女の連絡先等がぎっしり入っていた。
…覗いたわけじゃない、開いていたから見えただけだ。



「ったく、お堅い野郎だぜ。
なぁなぁ、その人、どんな感じなんだ?
やっぱり大人なのか?」


…嫌いになる情報を与えたい。
が、そんな所あるか?

…あ。


「オタクだ」

「じゃあ私仲良くなれそう!」

「あぁ、ある程度なら話にもついて行けそうだな」


…しまった、夢はオタク(母の弟子)だし、一は従兄がオタクで特に嫌な意識は無かった。



「…はぁ」


会えるかどうかも不明だが、嫌な予感がする…


 
 

< 49 / 71 >

この作品をシェア

pagetop