オタク女とアナログ男
衣裳部屋に入るとズラッと並べられた着物、数十着。
言い忘れていたが、母上殿は和服を専門とするデザイナーである。
因みに菜々子お姉様は洋服(主に姫系)のデザイナー。
「成人式は薄いピンクだったし…
今日はもう少し大人っぽく攻めましょうか?
貴方顔とスタイルは私に似て無駄に良いものね」
「性格を貶されているような気がして素直に喜べぬのですが…」
「細かいのよ」
でも、あまりに暗いのもね〜…お見合いだもの…
と1人で悩みだした母上殿。
私はソファーに座って待機。
…お見合い、それは我輩にとってはただの萌えイベントでしかない。
母上殿は私に結婚を急かした事もないし、相手が菜々子お姉様の息子でしかも高校生。
彼方も本気ではないだろう。
…存分に楽しもうではないか!