オタク女とアナログ男


「あ?
間違えて電話しただあ!?
ったく、お前まだ酔ってんだろ。
とっとと風呂入って寝るんだな。
ん、あぁ。
風呂入りながら寝んなよ?
おぉ、じゃあ明日な」


…この人と話している時、大河は珍しく目尻を下げる。
見てないのに、優しい顔をする。
話を聞いているかぎり同じ会社っぽいので、安心。(出会い系とかだったら危険だろ)



「なぁ、そのミーコって相手、どんな奴なんだよ?」

「は?
なんだよ、興味持つなんて珍しいな」

「前から興味あったけど聞かなかっただけだし。
で、どんな奴!?
女だよな!」

「…フッ、まだまだ青いな、お前も」


…なんだ、今の見下したような笑いは。
睨んでいたら怒るな怒るな、と鞄を漁りだした。


「何、写真あんの!?」

「あぁ、今日杉岡に売ってもらった」

「売っ…」


買ったのか。
金を出して買ったのか。
しかもあの男みたいな女から。

にしても金を出して買うなんて、プロマイドみたいだな…
あ、総司も買ったんだったか。
…まぁあの美人なら俺も買う。


 
 
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