オタク女とアナログ男
「おう、ミーコ」
「はー…
こんばんはぁ、ミーコ」
「そんなに荷物持って…可哀想に、イテッ」
「変な事言わない!
何処か行くの?」
夫婦漫才みたいだ…
楠木様は亜美花様に叩かれた頭を擦り、亜美花様はそんな楠木様を後ろに庇うように前に出た。
「あ、えっと、高校に行きたくて」
「あぁ、ならこの道を行けば…」
何処の高校に行くのかも言っていないのだけど、すぐに道を教えてくれた亜美花様。
チラッと後ろを見ると楠木様が口を尖らせて拗ねていて、少し可愛く見えた。
「わかった?」
「はい、有難うございました!」
「…俺も着いていく。
両手に、んな重い荷物持たされやがって」
「コラ、駄目よ!」
ペシペシと楠木様を叩く亜美花様。
が、渋る楠木様を見て亜美花様が近付いて来て…
ゴニョゴニョと、楠木様に聞こえないように耳打ちをされた。
フムフム、了解です!
「お兄様…いえ、大河様!
私、女になって帰って参ります!」
「は………!!!???」
「頑張って行ってこい、妹よー」