華は恋に落ちる
「・・・は?」


あたしは思わずそんな言葉を
口にしていた。


奴にキスされた。


「俺を殴ろうとした罰だ。」


「はぁ?なんであたしが罰なんか受けないと
いけないんだよ!?」


「まーまー、そんなに怒らなくてもいいじゃねーか華。
それとも何?ファーストキスだったとか?」


「んなわけねーだろ!ってなんであたしの
名前知ってんだよ!?」


「ふーん?キスしたことあるんだ?」


何こいつ。心底ムカつく!


でもここでちょっと大人になってみる
のも悪くないか。


「あんたの名前は?」


「え?気になる?そんなに気になるなら
教えてやらねーこともないけど。」


やっぱり大人になるなんて無理!


「もういい!二度とあたしにかかわるな!」


「あー、どうだろうな。じゃあな華。」


「華って呼ぶなー!」


何だよ。勝手に人の唇奪っといて!


「てかなんであいつあたしの名前しってんの?」


小さな声で呟いたつもりなのに美香には聞こえたらしい。


「それは華が美人だからじゃない?結構噂になってるよ。」


どんな噂だよ。


「あー、お世辞ありがと。で、あいつが誰かわかる?」
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