未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
長田サイクルの奥へ入っていった辻之内を店先で待っていた。
どうやらお店は暇だったようで、そんなに待たずにすんだ。
そして借りてきたのは、普通のママチャリを一台。
って、あれ? 二台じゃなくていいのかな。
でも二人乗り用じゃなくてよかった。
サドルがふたつ付いてるやつとか、ハンドルまで二個っていうのもあるもんね。あれは、かなり恥ずかしいから──
……え。
でも、でもね、一台ってことは、つまり──
「時田、乗って?」
ハンドルを握り、振り返った辻之内。
やっぱり、ふたり乗りするってことだよね……。