未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*



玄関扉を開けて外へ出ると、生温かな風に体を包囲された。



「じゃあ湊、さっきの話考えといてくれる?」


遠慮がちに、あたしを見るリカ。


「ナカジー達と一緒にカラオケ行くって話でしょ? いいよ。行っても」


あたしが返した言葉に、リカの顔がほころぶ。

見ていて、とっても可愛いと思う。


いまのあたしとは大違いだ。



「いいのっ?」


「みんなで行くんだったら、ナカジーはOKだって言ってたんでしょ? いいよ、そのくらい」


「ありがとー湊ーっ!!
夏祭りに誘ったときは断られちゃったから、よしっ リベンジするぞ!!」



ガッツポーズをして見せる、その笑顔がはじける。

リカ、本当に楽しそう。


例え僅かな時間でも、ありふれた日常であっても。

一緒に過ごせることがうれしくて。

飛び跳ねるくらい。


そうだよね、恋はこういうもの。

ワクワクして、いろんなことがパワーになるんだよね。

< 231 / 406 >

この作品をシェア

pagetop