未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
玄関扉を開けて外へ出ると、生温かな風に体を包囲された。
「じゃあ湊、さっきの話考えといてくれる?」
遠慮がちに、あたしを見るリカ。
「ナカジー達と一緒にカラオケ行くって話でしょ? いいよ。行っても」
あたしが返した言葉に、リカの顔がほころぶ。
見ていて、とっても可愛いと思う。
いまのあたしとは大違いだ。
「いいのっ?」
「みんなで行くんだったら、ナカジーはOKだって言ってたんでしょ? いいよ、そのくらい」
「ありがとー湊ーっ!!
夏祭りに誘ったときは断られちゃったから、よしっ リベンジするぞ!!」
ガッツポーズをして見せる、その笑顔がはじける。
リカ、本当に楽しそう。
例え僅かな時間でも、ありふれた日常であっても。
一緒に過ごせることがうれしくて。
飛び跳ねるくらい。
そうだよね、恋はこういうもの。
ワクワクして、いろんなことがパワーになるんだよね。