未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
なんと場違いで、どこまでアホなんだろ?

あたしって。


でもすぐに状況を飲み込みだした頭が、慌てふためく。


辻之内の両親はいつも帰りが割と遅くて。

だから、家のなかには彼女とふたりっきりだった?

そして彼女はシャワーを浴びていた ――。


それは、つまり

幼なじみの家だから、バスルームを使うのもアリ、ってこと?

それとも、それは……



「あ、あのぉー…」


彼女のハスキーボイスが遠慮がちに訊いてきた。


「あっ ご、ごめんなさいっ! あの、あたし…」

「あなた、葵の学校の?」


とりあえず名乗らなきゃ、って言いかけたあたしより先に彼女が言った。


「はい、同じクラスの…」

「葵になにか用だった?」


テンポの早いしゃべりに圧倒されてしまう。
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