未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
いつまでも心を乱されちゃいけない。

平静を装わなきゃ。


「そんなことないよー。避けてるなんて別に……。

ほらっ 席替えもしたし、辻之内の気のせいじゃない?」



茶化すように笑って顔を見る。


そしたら、真面目な目つきでキッと見られた。


怒ってる ――


明らかに、そんな顔。



どうして?

わかんない……


辻之内が怒る理由はないでしょ?


いつまでもあたしなんかにかまわないでよ。




「時田!」


3階まで上がりきったところで、名前を呼ばれて振り返る。


目が合うと、林田くんはニッコリと笑って段飛ばしで上がってきた。
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