未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

｢あっ ごめん。それは悪かった……時田、じゃっ また｣


｢あっ うん…｣



バツが悪そうに、苦笑いを浮かべて去っていく林田くんになんか申し訳なくて。

そして、辻之内がとった行動の意味がわかんなくて。


｢なに、いまの？｣


無意識のうちにあたしは、キツイ言い方をしていた。



でも辻之内の、さっきからの態度と

『どうして俺のことを避ける？』って訊いてくる真意が理解できないから。


それは、自分の立場を考えればわかるはずなのに。



｢なにって…だって話はまだ終わってなかった。時田は俺が訊いたことに答えていない。
それに、なんであいつが足のこと知ってんの？｣


辻之内も強気な態度で言い返してくる。



なによ、それ？


自分の口で、幼なじみの彼女のことを

『好きだ』って言っておいて。


あたしと話してた林田くんに、まるで嫉妬してるみたいに。


まっ 嫉妬だなんて、そんなことないだろうけど。



それにしても怒ることないじゃない。


怒りたいのは、こっちのほう。


あたしの気持ちも知らないで、かきまわすのもいい加減にしてよ。