未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
今日は朝から、ちょっと気が重い。
机の上に開いた日誌から視線を上げたあたしは、小さなため息をついた。
今日は夏休みが明けて最初の日直で。
来週の24日は研究発表会で。
あたし、なにか神様に嫌われるような悪いことしたかな?
本気でそんなことを考えてしまう。
「湊ー、行かないの? 次は移動教室だよー」
教科書やノートを手に、あたしの席まで来たリカ。
「今日、日直だもんね……湊、大丈夫?」
日誌の“今日の日直”欄を見ながら、心配そうに尋ねてきた。
「大丈夫だよー。出席番号が一緒なんて皮肉だなぁとはちょっと思うけどね。
さっ 遅れちゃう、行こ?」
笑って顔を見る。
リカにはあれから、辻之内とあったことは話していた。
そして“早く忘れたいから”って、その後、その話題に触れるのはやめたんだ。