未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
「それじゃ、次は……
よしっ 辻之内、いってみようか?」



陽気なジミーの呼びかけに、静かに辻之内がその場に立った。

そして語りだされた流暢な英語。



「 I do not understand your mind. My feelings have not changed. However, why do you go?
 I want to hear the voice of your mind. Where is the key to your mind?
 I want you to open the door with your key. And, I want you to know my feelings in that.

I miss you. And,loving you.」



広い教室の中が一瞬、シーンと静まりかえった。


そして

「It is wonderful!」

Mr.Harris がそう言って、ジミーも拍手をした。


それを合図にしたかのように、生徒達から歓声のような声もあがって。


女子の皆さんはウットリって顔で王子様に見惚れてる。

特に、最後に言った言葉が気になるようで。


でもみんな、辻之内がなにを話したかなんてわかっちゃいないんだろうけど。


っていうあたしも、同時通訳ができてるわけなんてない。
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