未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
視聴覚教室の黒板は、前後2枚のボードが上下に動くスライド式タイプ。


ジミーが両枚のボードを目いっぱい有効活用してくれちゃったおかげで、消すのも結構な作業だ。


しかもここのスライドって、そんな古くもないのに動きが悪いんだよね……。


「んー」


力を込めて重い黒板を引っぱる。


それでも上がったまんまの1枚が、下りてきてくれなくて。

黒板消しを持った手を高く上げたあたしは、ピョコピョコとジャンプをした。


てっ辺にチョークで書かれた文字がほんのちょっとだけ欠けたけど。

やっぱり届かない。


「もう……」


仕様がないか、って台にする椅子を持ってこようと後ろを向いたとき。


ガラガラガラッ


黒板が動く音がした。
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