未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
なんて関心していたあたしだけど、次の瞬間あるものを目にして立ち止まった。
「これって……」
その棚の真ん中、ちょうどあたしの目線の高さの位置だけ本が入っていない。といっても空っぽじゃなくて、本の代わりに飾られているのは白い陶器製のフォトフレーム。
中に収められた写真には、小さな子供が3人写っている。
真ん中に写ってる一番小さな男の子──すぐにわかった。幼い日の辻之内だ。
「可愛いー!」
本人がすぐ傍にいるにも関わらず、思わず声に出して呟いた。
だって言わずにはいられないほど、17歳の辻之内に負けず劣らずその彼は、すでに美少年っぷり全開だから。
「辻之内って、よく今まで誘拐されずに成長できたね?」
「……どういう意味?」
そのままの意味よ。だって、この小ささにしてこの美しさは罪でしょ?