another world -もうヒトツの世界-
プロローグ
「ジリリリリリリリッ!」
毎日朝7時に鳴り響く、目覚まし時計。
何度イライラの中この音でたたき起こされたことだろうか。


俺はさっさと学校の支度をし、
ゆっくり階段を下り、
リビング、いや食卓に座って朝ごはんを食べていた、のだが・・・

母がのろのろと近づいてきて、


「アンタ、今日から高校2年なんだから、アヤちゃんを掴み取りなさいよ!!」


「ブゥゥゥゥゥゥッッッ!!」

そのとき飲んでいたお茶を俺は吐き出してしまった。

「何いってんだよ!母さんは朝から!!」

「冗談よ、冗談。外でアヤちゃん待ってるから早く行ってあげなさい。」

「・・・。」


俺はかばんを背負い外に出た。
すると目の前には俺の小さいころからの幼馴染み
"柏木 亜矢"(カシワギ アヤ)が明らかに
「遅い、女の子をいつまで待たせるんだ。」
というような仏頂面でこっちを見ている。

「おーそーいー!」

一瞬さっきのことを話そうとした。
だがそんなことは当たり前のように言うべきことではないのだ。

「わりぃ、ちょっといろいろあって・・・」

「なによ、いろいろって・・・」

「・・・う、そんなことより早く行こうぜ。」
「今日クラス発表だし、後で混んでくるだろうから。」

「わかってる。一緒のクラスだといいね!」

「お、おぅ・・」

俺には「わかってる」の言葉が天使のささやきのように聞こえる・・・
 

          か・・・かわいい・・・


俺ら2人はまるで付き合ってるカップルのような
雰囲気で学校へ登校した。
(全然カップルではないんだが)

校舎入り口には、大きな張り紙が張り出されていた。
周りにはたくさんの生徒が、自分は受験受かっただろうか、というような
すごいドキドキな感じで、みんな張り紙を見ていた。

俺は2-4組だった。
好意ではないが一応、アヤの名前も見た。
アヤも2-4組だった。わずかながら、俺の心の中に「嬉しい」という言葉が
浮き出てきた。
これは決して好意で見たというわけではなくユリがまだ
自身の名前見つけていないときのために見たのだ・・・
読者の皆は勘違いするなよ?(笑)



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