俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
相も変わらず
――龍樹サイド――
「でっさー俺『じゃあ俺が相手してあげよーか?』って親切心から誘ってあげたわけよ」
「……」
「そしたらそいつなんて言ったと思う? 『軽い男はキライよッ』パーンッ……だぜ?」
口振りから声色から仕草まで事細かにフラれ話をしてくるこいつ、久遠薫。
なぜか本人曰く「お前を追いかけて」Y大までついてきた。
しかもうちの隣のアパートを借りて。
学校が始まるまでのこの数日、毎日のように押しかけてきている。
「もー俺それで冷めちゃってさー、あれから二週間ヤってないんだよね」
「知るかんなこと」
だからなんだという話。
お得意のナンパでもしてこいってんだ。
「お前はいいよね。可愛い彼女がいてさ」
「指一本でも触れたら絞め殺すぞ」
「やっだわ龍樹くんたらぁ~」
「ハア…。つーか何しに来たわけ」
どうせ大して用事もないんだろうけど…。
だからこそ邪魔。
泊まられたら迂闊に悠由に電話もできない。