俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
「そんなこたどうでもいいのよ。結局どうだったの?」
「どうだったってなにが?」
「昨日だったらもう! 先輩なんかあったの?」
なんか……。
まあ、あったといやあったんだよね。
だから逃げてきたわけだし…。
大まかにならいいだろうと思い、杏子と美紅ちゃんに大変らしいことを話した。
「そりゃまあ、元々人気者だったわけだし?」
「さらにあーゆーことになればねぇ…」
だよねぇー。
一週間こっちにいれば、六月一日発売とやらに間に合わないらしいから雲隠れするって言ってた。
でも……そっか。
一週間したら帰っちゃうんだ…。
行きたいと思ったときに先輩のとこに行けば会えるのに。
会いたいなって言ったら会えるのに。
それも……一週間だけなんだぁ…。
「ハアー……」
「なにブルーになってんのよ」
「だあってぇ…」
だいじょぶかなぁ先輩。
戻ったらきっとまた大変だよね。
戻らなくてもそのうちこっちでも大変になるよね。
かっこいいってのもまた色々あるんだなあ…。