俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
―ピーンポーン
「りゅうく~ん」
チャイムを鳴らして声をかけると、間もなくして扉が開いた。
「直接来たのか」
あたしの制服姿を見て開口一番そう言う。
「そだよ。お買いものしてきたの」
「そうか」
優しく笑って頭に手を乗せる先輩に、思わず抱きついた。
抱きつき魔でもいいんだ。キス魔よりマシだし。
「…ま、上がれ」
「うんっ」
背中をぽんぽんたたいて先輩が言った。
袋をガサガサいわせながら靴を脱いでいると、ひょいっと袋が取り上げられた。
「先入るぞ」
そう言って、荷物を持ってリビングに入ってしまった。
「……」
黙ってその方向を見つめながら急いで靴を脱ぎ、小走りに後を追った。
「ねえね! 和風洋風中華どれがいいー?」
少し声を張り上げてそう問いながら…。