俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
未だ睨み合う二人の間にあたしと美紅ちゃんが入り、少し縮こまりながら教室まで歩いた。
「…せ、席どこかなあ?」
「あら。悠由とあたしは近いわね」
「ほんとだ。でもやっぱり杏子は遠いよね…」
……杏子と翔くんが遠くてよかった…。
大変なことになってた(かも)よ。
「ちょっとーアンタがしつこいから始業式の時間なっちゃったじゃない」
「俺のせいかよ!」
「あーもういいから、行くわよ二人とも、悠由も」
「あ、うん…」
杏子忙しいねぇ…。
今度は美紅ちゃんと言い合ってるよ。
きっとあれが愛情表現なんだね。
……あれ。
あたし特に言い合ったりしたことないんだけど。
愛情表現だとしたらあたし…!!
「きっ、嫌われてる!?」
「先輩に?」
「えっ!?」
うそっそうなの!?