俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
「悠由ー?」
帰りの遅いあたしを心配したらしい美紅ちゃんが迎えに来てくれた。
「ああ、いたいた」
駆け寄ってきて、「なにしてるの?」と問う。
「……なにしてんだろ」
「……。ちょっと大丈夫? 頭打ったの?」
「違うよ」
真面目に言わないでくれるかな。
ただびっくりしすぎて呆然としてただけだよ。
結局なんだったんだろ。
「大体想像つくけど、彼なんて?」
「うん…。好きでしたって」
「でした? 過去形?」
「うん」
「う~む。…先輩の存在を知っててなおってことね」
「?」
そういえば…。
今日最初に呼び出された(拉致された)時は「付き合って」って言われたけどよくよく考えたら一年生以外ほとんどみんな噂で知ってるよね…?
それとも気のせい?
噂は気のせいだったの?
「…まぼろし?」
「あほね。あんたって」