俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
会いたかったよ
―――……
「ちゃんと着いた」
あたしってやればできる子。
「んーと…。どっちだっけ?」
確かここを右に曲がって…。
…あれ。まっすぐ行ってから右だったっけ。
ん? 左だっけ?
「……???」
や、やばいどうしよう!
電車でここまでこれても駅からどーやって行けばいいかわかんない!
あわあわして頭を抱えるあたしに、聞きなれた声がかかった。
「…ばーか」
「……」
久しぶりに会った第一声がこれ。
そんな人は一人しかいない。
「先輩っっ❤」
公衆の面前ということも忘れ、優しい顔であたしを見下ろす先輩に抱きついた。
「……ちゃんと来れたな」
「はい…来れました」
ふふ。
先輩のにおいだ…。